201610.16

「風の谷のナウシカ」-感情

Post by 中西千華 2016年10月16日

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かなり久しぶりに「風の谷のナウシカ」を観ました。

印象に残ったことの中で、今回は「感情」について書こうと思います。

わたしは、自分はあまり感情の起伏がないと感じています。

周りから見たわたしがどのように見えているのかは分かりません。

自分でそういう風に感じているので、感情が湧いたらその感情を大切にすれば良いのだと考えていました。

しかし、はっとしたのは、トルメキア軍がナウシカの父親であるジルを殺した時の、ナウシカの反応でした。

そのときのナウシカは、「怒り」というものを全身で表しています。

これほどのナウシカの怒りを、他の場面で見ることができません。

父親を殺された怒りに対し、感情を生理現象として味わう、という説明をするのは不可能です。

わたしも自分の大切な家族を殺されたら、ナウシカと同じ反応をすると思います。

この場面を見た時、自分が何か忘れていたのか、忘れようとしていたのか、とにかく思い出す必要があると感じました。

また、感情というテーマから少し外れますが、この場面で、ユパが小さな声でナウシカに言った言葉が印象に残っています。

「ナウシカ。落ち着けナウシカ。いま戦えば、谷の者は皆殺しになろう。生き延びて、機会を待つのだ。」

「生き延びて、機会を待つのだ。」-実際にわたしたちが生きて行く上で、大切なことだとわたしは感じています。

あらゆることには‟機”があり、わたしたちはその瞬間を見極める必要があります。

このユパの言葉は、とても深いです。

感情というテーマに戻りますが、他の場面でも、ナウシカの感情表現が何かを思い出せと言ってくれているような印象を受けました。

ジルに再開した時の喜びや、腐海の底で嬉しくて涙を流すなど、人間の感情とは本来は味わうほど余裕がないもので、溢れるほど湧き上がってくるものだと、今のわたしはそう思います。

わたしは、自分が少しぼんやりしてしまっていたのではないかと思いました。

わたしたちは今の日本において、ぼんやりしているとトルメキア王女クシャナのようになってしまう可能性があります。

それはそれで選択かもしれませんが、クシャナは戦争を起こし、人間を殺します。

少なくともわたしとわたしの記事を読んでくださるみなさんは、それを選択しないのではないかと思います。

人間の感情、それは人間にとって宝物です。

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