201608.28

続 髪型

Post by 中西千華 2016年8月28日


髪をいつもどおり5cm切ることにしたわたしは、いつもと違うカラーリングをしようと考えました。

本当の本当のところは、髪の色に興味はないのですが、長さを変えられなかったので、他の部分で‟いつもどおり”ではないことをしようと考えました。

また、別の視点から書くと、この世界には光が存在し、光の存在によって色が存在しています。そして、わたしはたまたま色を認識できるので、その時々で色を楽しむのも良いかなと考えています。

前回美容室に行った際に、担当の美容師さんからお聞きしていた、初めてのカラーリングの仕方をお願いしました。

「グラデーション」というもので、髪の根元から毛先までグラデーションにカラーリングをする方法です。

どんな染め方をしたところで時間も金額も変わらないのでお願いしたのですが、染める段階になっていつもの担当の美容師さん(Aさんとします)から、Aさんよりも少し若いBさんにバトンタッチしました。

瞬間的に、2つの点から、「失敗するかも」と思ってしまいました。

1つめの問題点は、グラデーションのカラーリングは、事前に色の色味は決めているとしても、どの明度をどの範囲にのせるかの判断の上に、体温と室温の感覚、分単位の時間の感覚が必要です。ご存知の方も多いかと思いますが、地肌に近いところは温度が高いので染まりやすく、通常は一番最後にカラーをのせます。

要するに、髪の色をグラデーションに染めるには、‟抽象度”が高くないと不可能です。

Aさんは抽象度が高いので、それら全体を把握することはできますが、Bさんは全体像を肌で把握するのは難しいと感じました。

2つめの問題点は、Bさんはわたしと‟ラポール”を築いていないので、わたしの目が出来上がりを失敗だと判断する可能性があると感じました。

出来上がりは、わたしの目にはあまりグラデーションに見えず、そうかと言って、わたしは自分自身の視覚をそれほど信じていません。往々にして、わたしの視覚はトリッキーなものを見せようとするからです。

Aさんに、「わたしの視覚に問題があるかもしれないから、Aさんから見てグラデーションに見えるかどうか教えてください」と言うと、その後Aさんがすごいスピードで手直しをしてくださいました。

高い抽象度から全体を把握しながら一つのものを仕上げるのと、低い抽象度で点を描きながら全体を見ようと努力するのでは、なんにせよ結果に雲泥の差が出てきます。

高い抽象度から世界をみるほうが、景色が広がるのでスコトーマが少なくなります。

簡単ではないのかも知れませんが、常に、可能な限りスコトーマが少ない状態でいることができればいいなと思います。

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