「イワンのばか」
『イワンのばか』はTolstoiの作品です。
宮崎駿監督の『本へのとびら』という著書の中の、『イワンのバカ』に対するコメントが印象に残りました。
宮崎駿監督のコメントを引用します。
「人はどのように生きるべきなのでしょう。子供のころ、この本を読んでぼくはとても心をうたれました。ばかのイワンのように生きられたらどんなにいいか。でも、それはとてもむずかしい。自分にはできそうにありません。そう思うのに、ぼくは今でもイワンのように生きられたらと、時々思います。」
イワンには兵隊のシモンと太っちょのタラス、そして耳と口が不自由なマルタという妹がいます。
シモンとタラスはそれぞれ欲があって、それでもイワンは何でもあげるので、仲良く暮らしています。悪魔がそれをみて、けんかさせようと考えてシモン・タラス・イワンにいろいろな意地悪をしかけます。
シモンとタラスは悪魔によってとっちめられてしまうのですが、イワンは何でもあげるし、困った人を助けるし、王様になっても働き続け、ついには悪魔が退散してしまいます。
宮崎駿監督の「人はどのように生きるべきなのでしょう。」という言葉が心に刺さります。
ばかのイワンは、一言で言うととことん利他的に生きているように感じます。
シモンは権力に対する欲、タラスは食欲をはじめとする物欲を表しているように感じ、悪魔はその欲につけこんで意地悪をしかけてきます。
ばかのイワンは欲がないので、悪魔が意地悪しても効果がありませんでした。
そして、ばかのイワンが王様になっている国の人々は、とても幸せそうです。
ばかのイワンの物語の背景とは違って、わたしたちには知識があって、資本主義のなかで生きています。
その中で、どうやって知識を使って楽しく生きるか、試されているような気がします。
少なくともシモンやタラスと同じようになってはいけないけれど、ばかのイワンのようにになるべきかというと、そうではないような気がします。
わたしたちそれぞれが、それぞれの生き方をもっていて、いろいろなバランスを絶妙にとりながら毎日を生きていく。
それそのものが答えのような気がします。
コーチングは楽しく生きるためのツールであり、上手く使うことでバランスがとりやすくなるのではないかなと思います。
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