201605.17

麻酔器とゴール

Post by 中西千華 2016年5月17日

これまで何千件と麻酔をしてきた中で、今日は初めて、麻酔器の電源が手術中に切れました。

電球が切れるような切れ方で、うんともすんとも言わなくなりました。

麻酔器とは、全身麻酔中に患者さんに呼吸をしてもらうためのツールです。

吸入麻酔薬は使う時と使わない時があります。

通常全ての麻酔器は、停電の際にも酸素など各ガスは流れる構造になっています。
電源が切れたとき無意識下で瞬間的に起きたこととして、

1.電源が切れた瞬間、私の超短期的なゴールは、「患者さんに適切に呼吸してもらい、問題なく手術が終わる」ことに設定されました。

2.このゴール達成のための手段が自分の中で2個浮かびました。

この瞬間に無意識の中でゴールは達成されていました。
落ち着いてから、麻酔器に黄色い「パニックカード」が貼ってあるのを見ました。

どの麻酔器にも、停電時に麻酔科医がパニックにならないように貼ってあるもので、

分かり易く言うと「停電時でも酸素は流れますよ」と書いてあります。
今日経験した超短期的なゴール設定は、普段のゴール設定とも通じています。

私の中で「患者さんに適切に呼吸してもらい、問題なく手術が終わる」というのは微塵の疑いもない確信でした。

ゴールとは確信するものです。

その後は無意識が最適な方法へ導きます。

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