好きなものは好き
わたしたち麻酔科医が“日麻”と呼ぶ、日本麻酔科学会の、今年の学術集会が終了しました。
専門医制度が新しく変わることになり、学術集会の様子が変化しています。
日麻では昨年から、学術集会がディズニーのアトラクションのように混雑するようになりました。
制度がどうなるのか分かりにくいためにとりあえず点数を押さえておこうという動きがあり、もはやwant toではなくhave toで動かざるを得ない部分があるように見受けられます。
おそらく一過性であり、数年後には落ち着くのだろうなと思います。
ちょうど一年ほど前に、「パノプティコン」と「バイオ・パワー」の概念について書きました。
わたし自身の復習もあり、再度記載しておきます。
バイオ・パワーとは、私たちの生活の営みの中で自然に生み出される権力のことです。
パノプティコンは監獄を見張る一望監視システムのことで、監獄の高い塔に看守がいて、看守が囚人を見張っており、囚人からは看守が見えない構造になっています。
パノプティコンでは、囚人は見られているかもしれないという恐怖で逃亡や暴動を企てなくなり、そこにはバイオ・パワーが働いている。そして社会のシステムはまさにパノプティコンだと、ミシェル・フーコーは指摘しています。
(newsjunkiepostより引用)
以上、昨年の記事より。
実際、社会のあちらこちらで、バイオ・パワーが働いているパノプティコンのような部分があります。
わたしたちは本当は自由なのに、自由でないかのように錯覚を起こしています。
わたしは、学問というものは本来“want toのみ”で追及するものだと考えるので、早く専門医制度が落ち着けば良いなと思います。
たとえ周囲がバイオ・パワーによってhave toで動いているとしても、自分自身はぶれずにいたいものです。
“好きなものは好き”、それだけです。
他人のhave toは、こちらのwant toに関係ありません。
バイオ・パワーが働いている状況下でも、周囲に惑わされることなく自分の心を静観する習慣は、とても大切です。
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